幸せを呼ぶ!?あのハートブラシの誕生秘話を徹底取材![@cosme NIPPON PROJECT]

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幸せを呼ぶ!?あのハートブラシの誕生秘話を徹底取材![@cosme NIPPON PROJECT]
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日本には古来から受け継がれる伝統技術がある。歌舞伎や能などの古典芸能をはじめ、器などの工芸品などもしかり。今回の@cosme NIPPON PROJECTでは、日本の「筆」技術にフォーカスします。

筆といえば、日本の書道・画筆の生産量No.1といわれている広島県の熊野筆が有名。その熊野町で営む書道筆メーカー「晃祐堂」は、創業1978年、来年は40周年を迎えます。書道、画筆の技術を応用し、化粧ブラシの事業を拡大。紆余曲折しながら美容業界の信頼を勝ち得るまでのサクセスストーリーをここでご紹介!「ブラシでメイクは変わる」という噂はホント?ウソ?熊野筆の化粧ブラシを徹底解剖します。

日本の伝統技術「熊野筆」の化粧ブラシ

美容感度の高い人なら「化粧ブラシといえば熊野筆」とピンとくる人も多いでしょう。まずは、熊野筆についてかんたんなおさらいを。

広島空港から車で走って西へ1時間。たどり着いたのは人口約24,000人の広島県安芸郡の熊野町。この町の名産品といえば誰もが耳にしたことがある「熊野筆」。熊野町でつくられる書道筆・画筆は日本の筆の約80%を占める日本No.1の生産量を誇る。町のあらゆるところに筆のシンボルやゆるキャラ「ふでりん」が出迎え、レストランのウエイティングリストは筆で名前を書くという徹底ぶり!町おこしのひとつとして昔も今も筆産業は欠かせないものとなっています。

筆の歴史が長い熊野町ならではのユニークな催事がある。1,100年の歴史を誇る榊山神社で、毎年秋分の日に開催される「筆まつり」。今年で83回目を迎えた由緒あるお祭りです。

「筆を使う文化に携わるすべての人と筆に感謝の意を込めて、使い終えた書道筆や画筆をとむらい、火にくべます。持参する方もいらっしゃいますが、郵送でも受け付けているので全国から筆が届きますね」と話してくれたのは、榊山神社の57代目の宮司である梶山望さん。

「日本の書道筆の約80%はここ熊野町でつくられているのです。町が成長できたのも筆産業あってこそ。このお祭りもそういった住民の『筆に感謝をする』という気持ちが込められています」。

秋分の日である9月23日に開催された筆まつりは、熊野町を挙げて開催しており、町の至るところで熊野筆の歴史や文化に触れる場を設けている。先ほどの榊山神社では、約20畳分の特殊布に筆をふるう「大作席書」の他、筆を使ったアート教室などのイベントを開き、観光客をもてなしていました。

熊野筆の歴史を学ぶとしたら、熊野町内にある博物館施設「筆の里工房」へぜひ。1994年にオープンした館内には高さ3.7m、重さ約400kgの世界一の大筆が飾られており、筆の歴史や文化を紹介しています。「熊野町の筆づくりの始まりは、江戸時代にさかのぼります」と館内を案内してくれたのは、筆の里工房の広報をしている宮脇健太朗さん。

「熊野町が日本はもちろん世界中に知れ渡ったのは、皆さんもご存知のとおり、熊野筆です。熊野町の主産業は農業でしたが、中には農閑期に筆や墨を仕入れて販売する人もいました。その後、広島藩の産業奨励策もあり、徐々に筆づくりの町へと変わっていったのです。本格的に筆づくりをスタートさせることになったのは1830年後半の江戸時代末期。その先駆者となったのは、当時筆づくりが進んでいた奈良や有馬に派遣された、もしくは招いた筆づくり職人に技術を習った、若き村人たちでした」(宮脇さん)

「1868年(明治元年)には職人の数は80人、筆の売り上げは50倍に成長しました。たった20年ほどの歳月で熊野筆の生産は急成長していきます。第二次世界大戦の影響で筆の生産が一旦落ち込む時期もありましたが、1954年頃から画筆や化粧筆の生産も始まり、現在では書道筆、画筆、化粧筆いずれも全国生産の約80%を占めるといわれるまでに発展しました。熊野の筆づくりは今もなお、親から子へ、子から孫へと引き継がれているんですよ」(宮脇さん)

小規模の産業が、町を挙げての一大産業へと成長した歴史は見応えたっぷり。職人や筆メーカーのたゆまぬ努力や信念は、昔も今も変わらないといいます。

「熊野筆の良さといえば、やはり品質の高さだと思います。熊野町には、熊野筆の技術と伝統を支える “伝統工芸士”が活躍しています。今、熊野町には21人の伝統工芸士がいるのですが、経験年数が12年以上あり、熊野筆の産地の発展のために努力する人の中から、実技・筆記試験などによって認定されます」(宮脇さん)

熊野筆の伝統技術を守る伝統工芸士の資格は、長年の実績と試験を合格した者にしか与えられない国家資格。伝統工芸士になった後は熊野筆の啓蒙活動に努めて、全国各地のイベントや百貨店の催事などに引っ張りダコという。書道筆の匠な手さばきは丁寧かつ、まるで機械で仕上げたような精密さ。「でも、これを機械でやることはできないんですよね」と宮脇さん。ピタッと収まる手仕事は、長年の経験と職人のカン。淡々と作業をおこなう手先についつい目を奪われてしまいます。

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